
スピンカシメの形状が決まる仕組みを解説
スピンカシメのかしめ部の形状は、部品同士をつなぐために使用するリベットに対し、回転するポンチと呼ばれる工具を押し当て、塑性変形させることで形成されます。
かしめ部の仕上がりの形状は、リベットに押し当てるポンチの先端部分の形によって変化します。そのため、同じスピンカシメ機を使用していても、ポンチを変更することで違った形状に仕上げることが可能です。
スピンカシメでは一度に大きな力で押しつぶすのではなく、回転しながら徐々に成形していきます。そのため、材料への負担を抑えながら、安定した仕上がりの形状を維持しやすいというメリットもあります。

スピンカシメの形状の種類を比較
スピンカシメでは、ポンチの種類を変更することで仕上がりの形状を変えることが可能です。代表的なものには山形、平形、ナベ形などがあり、それぞれに特徴や適した用途があります。
例えば、接合部の強度を重視する場合と、突起をできるだけ低くしたい場合では選ぶポンチの形状が変わります。また、複雑な形状に仕上げる必要がある場合は、専用に設計したポンチを用いる必要があります。
スピンカシメをおこなう際は、製品の用途や求める性能に合わせて、ポンチを選ぶことが大切です。ここからは、それぞれの仕上がりの形状の特徴について解説します。
山形:カシメ効率が良く強度重視の場面に
山形は、スピンカシメのポンチによって山のように円錐状に盛り上がったカシメ形状です。全形状で最もカシメの効率が良い(より小さい力でカシメができる)ため、樹脂や薄い部品のカシメにも良く使用されます。
山形形状の注意点としては、後述する平形と比べて盛り上がりがあるため、周囲の部品と接触してしまう場合がある点です。念のため、カシメ部が他の部品に干渉しないか確認しておきましょう。
また、外観を重視する製品に用いる場合は、突起が目立つこともあるため、カシメテストなどで確認しておくと安心です。
平形:突起を抑えたい精密部品に
平形は、スピンカシメ後のリベットを平らにした形状です。周囲の部品と接触しにくいという特徴があり、リベットを差し込む穴に皿モミ加工をして、リベットが部品からまったく出っ張らないようにすることも可能です。
この形状は、部品同士の隙間が少ない製品や、小型化、薄型化が求められる製品で使われることが多いです。例えば、電子機器や精密機器の内部部品など、限られたスペースの中で組み立てる製品に向いています。
目に見える箇所であっても、平らで目立ちにくいため、シンプルな仕上がりを目指す際などにも適しています。
ナベ形:滑らかな仕上がりで意匠性を高める
ナベ形は、スピンカシメ後のリベットに丸くRをつけた形状です。角ができにくいため、製品の外から見える外観部に多く使われています。
山形や平形リベットの端が上から潰したままの形になっているのに対して、ナベ形は角が丸くなっているため、直接人の肌や布などが触れる箇所のカシメであっても傷つけにくい点がメリットです。ハサミや工具、バッグや衣料品にも、ナベ形形状はよく用いられています。
また、カシメの効率も比較的良いため、変形や割れが起きないよう力をコントロールしつつ意匠性を重視したい装飾品などにも使われています。

スピンカシメの形状から考えるポンチ選びのポイント
スピンカシメの形状は、荷重・ストローク・材質などさまざまな要素が影響しますが、ポンチ選びも大切です。
同じスピンカシメ機やリベットを使用していても、ポンチなどの条件が変われば完成後の形状は大きく変わります。大切なのは、加工条件を適切に管理し、目的とする形状に合わせてポンチなどの条件を整えることです。
ここではポンチに焦点を当て、理想の仕上がりの形状を目指すうえで、標準品で対応できるケースと特注品が必要になるケースについて解説します。
一般的なポンチで対応できる形状の範囲で選ぶ
スピンカシメでよく使われる山形や平形の形状であれば、新規でポンチの設計をせずに対応できるケースが多くあります。
特別なポンチを製作しなくても希望の形状に仕上げられるので、設計費用がかからず、準備にかかる時間も短く済みます。
まずは、新規で設計する必要があるかどうかをカシメ機メーカーに確認してから検討を進めていくことがおすすめです。
また、一般的な形状では多くの製作事例があるため、スピンカシメ機を初めて導入する時でも選びやすいでしょう。
特殊な形状の場合は専用設計のポンチの製作を依頼する
一般的な形状では対応できない場合は、ポンチを専用で設計する方法があります。
特殊な形状や複雑な形状に仕上げる必要がある場合は、スピンカシメ機メーカーへ相談してみましょう。
問い合わせの際は、希望する形状の寸法やリベット径、使用しているスピンカシメ機の機種などを伝えておくと話がスムーズに進みます。
専用設計を依頼する際はとくに試作が重要です。必要に応じて複数回のテストを重ね、理想の形状になるポンチを作り上げましょう。
弘機商会では、一般的な形状のポンチはもちろん、長年培ってきた専用設計・オーダーメイド製作のノウハウを活かし、お客様の用途や加工条件に合わせた専用の設計・製作にも対応しています。
これまで多様な業界・製品向けのポンチ製作を手がけてきた経験をもとに、理想の形状や加工の品質を実現するための仕様をご提案することが可能ですので、ぜひ一度ご相談ください。

弘機商会はスピンカシメ機の製作・販売をおこなっています
弘機商会では、スピンカシメ機およびポンチの製作・販売をおこなっています。
スピンカシメ機の機種選定、ポンチ仕様の検討まで含めて、技術的な観点からご相談していただくことが可能です。条件や用途を整理しながら、最適な加工方法を一緒に検討していきましょう。
「どの形状が自社製品の用途に適しているかわからない」「標準のポンチで対応できるのか、特注が必要なのか判断が難しい」といった段階でも問題ありません。
スピンカシメでの加工に関するお悩みは、お気軽にお問い合わせください。
電話:03-3732-5461(代)
FAX:03-3732-5464
メール:info@kokiriveting.com
お問い合わせフォーム
(営業時間:平日9:00~18:00)


