
リベット機で使われるインサート(ポンチ)の種類
リベット機で使われるインサート(ポンチ)は、仕上がりの形状やリベットの材質などにあわせて、さまざまな種類が使い分けられています。
代表的なインサートは、カシメ後のリベットが円錐状に尖る山形、まっ平にカシメができる平形、ナベの底のように角が丸くなるナベ形などです。
インサートの形状が変われば、リベット先端への力の伝わり方も変わるため、同じ鋲径・材質のリベットであっても、締結後の仕上がりや使用感が異なってきます。
リベット機を選ぶ際は、リベット機そのものの能力だけでなく、使用するインサートの形状によって締結後の仕上がりや使用感が変わることも踏まえて比較検討することがおすすめです。
インサートの種類まで見比べておくことで、締結後の外観不良や強度不足といった後工程でのトラブルを未然に防ぎやすくなるでしょう。
リベット機でのインサート(ポンチ)の選び方
リベット機のインサートを選ぶ作業は、見た目の形状を選ぶだけの工程ではありません。同じリベット機を使っても、インサートが変わればカシメ後の高さ、突出量、触れたときの感触、外観の印象が変わり、結果として製品全体の品質や安全性にまで影響が及びます。
そのため、リベット機のインサートは「どんなリベットを使うか」だけでなく、「最終製品でどう見せたいか」「周囲にどんな部品があるか」「触れる人にどんな感触を与えたいか」といった、製品側の要求から逆算して選ぶのが基本です。
さらに、加圧力やサイクルタイム、ワークの材質、量産か試作かといった加工条件も、選定の前提条件と考えておきましょう。
ここでは、リベット機で使用するインサートの選び方を、3つの視点から解説します。
干渉・高さ制限がある場合のインサート(ポンチ)
カシメ後の鋲頭部が周囲の部品と干渉する可能性がある場合や、製品設計上どうしても薄く仕上げたい場合は、平形のインサートが選ばれます。リベット機の平形インサートは押し付け面がフラットなため、鋲頭部を低く広く押しつぶし、突出量の小さな平らな仕上がりに整えてくれるためです。
リベットを差し込む穴に皿モミ加工をして、リベットが部品からまったく出っぱらないようにすることも可能です。
具体的には、ケースの内側にカシメ部があり、隣接部品とのクリアランスが厳しい組立品、可動部に近く回転や摺動の邪魔になりたくない箇所、機器類の天面や底面で出っぱりを抑えたい意匠面などで採用されることが多いです。
リベット機の側で大掛かりな改造をしなくても、平形インサートへ交換することで突出量を抑えられるため、設計変更が難しい既存製品の手直しでも有効でしょう。
外観・触感を重視する場合のインサート(ポンチ)
リベットが製品の表に出る場合や、人の手が直接触れる箇所では、ナベ形のインサートが採用されるケースが多いです。リベット機のナベ形インサートは押し付け面がドーム状にゆるくカーブする形をしており、鋲頭部を平らに潰しすぎず、角の立たない、丸みを帯びた仕上がりになるためです。
家電の外装、家具の金具、医療機器の操作部、教育用機材のように、人の指先が頻繁にカシメ部に触れる用途のものを平形インサートでかしめると、リベット先端の角が指や肌に当たり、不快な引っかかりを生むだけでなく怪我につながることもあります。
ナベ形のインサートであれば、鋲頭部の輪郭が指先になめらかに沿うため、触感の品質を底上げしながら安全性を確保することが可能です。
専用設計を必要とする場合のインサート(ポンチ)
山形、平形、ナベ形といった、リベット機で使われる標準的なインサートだけでは、製品要件を満たせない場面も少なくありません。
たとえば、複数の鋲を一度のストロークで同時にカシメたい場合、ワーク形状が立体的でインサートが干渉してしまう場合、要求精度がきわめて厳しく汎用形状では仕上がり寸法が安定しない場合などです。
こうしたケースでは、ワークの形、リベット機への取り付けスペース、要求される寸法公差、量産タクトなどにあわせて、リベット機で使うインサートの専用設計をしていきます。
リベット機の本体は標準品を流用しつつ、インサートだけを専用設計にすれば、設備投資を抑えながら独自仕様の製品を量産できます。
リベット機のインサート(ポンチ)の交換・専用設計対応について

リベット機のインサートは、カシメをするたびに鋲頭部に直接触れて加圧と摩擦を受けるため、摩耗・打痕・欠けが発生する消耗部品です。
一方で、製品仕様が変わって鋲径や仕上がり形状の要件が見直された場合にも、インサートを差し替えることで、リベット機本体を入れ替えずに対応できる柔軟な部品でもあります。
リベット機を導入したあとは、この両面を踏まえて運用していくと、初期投資を抑えながら、長期にわたって安定した品質と多品種への対応を両立できるでしょう。
ここでは、リベット機で用いるインサートの交換のタイミングと、専用設計が可能な業者の選び方を紹介します。
リベット機のインサート(ポンチ)交換の目安とタイミング
インサートの交換が必要かどうかは、製品側の仕上がりを継続的に観察することで判断していきましょう。
リベット機のインサートが摩耗してくると、鋲頭部の高さにばらつきが現れ、頭部表面に光沢のムラやカシメ傷が目立ってきます。当たり面に微小な打痕が転写されるケースもあり、こうしたサインが摩耗の進行を教えてくれます。
日々の作業のなかで、初品検査でカシメ高さが上限寄りに動き始めた、外観検査で表面の艶が落ちたという小さな変化を見逃さずに記録しておくことが、加工不良を防ぐためには大切です。
あわせて、ショット数や月次の使用本数をカウントし、過去の交換実績と突きあわせて、計画的にリベット機のインサートを交換するルールを設けておくと安心です。
インサート(ポンチ)の専用設計が可能な業者の選び方
専用形状のインサートを必要とする現場では、リベット機の販売とインサートの専用設計の両方に対応するメーカーを選ぶことがおすすめです。
リベット機の機械側仕様と、インサートの押し付け角度や加圧力の関係を理解しているメーカーであれば、設計初期から仕上がり形状の再現性まで一貫して相談できます。
リベット機のメーカーを選ぶ際は、過去にどれくらいの種類のリベット機やインサートを製作してきたか、図面のない段階からでも形状の提案ができるか、試作後の微修正に何回まで応じてくれるか、量産時の納期と価格をどう保証してくれるかなどを確認しておくと安心です。
弘機商会では、インサートの専用設計にも対応しており、摩耗したインサートの再研磨などの提案も可能です。お客様のご要望にあわせて細やかに提案・調整させていただきますので、お気軽にご相談ください。
弘機商会はリベット機のインサート(ポンチ)の専用設計に対応しています

弘機商会は、スピンカシメ機の製造販売を80年以上手がけてきたリベッティングマシンのパイオニアです。
リベット機の仕様とインサートの関係を熟知しているからこそ、山形・平形・ナベ形などの標準インサートでは対応できない形状も、専用設計として提案できます。
自動車、航空宇宙、医療機器など、精度要求の厳しい業界への納品実績も多数あり、図面がまだない段階からのご相談にも対応可能です。
ワークの形状や取り付けスペース、要求される寸法公差、量産タクトなど、現場ごとの条件にあわせたインサートの専用設計をご検討の際は、まずはお気軽にお問い合わせください。
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