カシメの種類とメリット・デメリットを解説！用途別の選び方とは？

カシメの種類①ブラインドリベット

カシメの種類の一つ、ブラインドリベットは、片側から作業できる点が大きな特徴です。ボルトやナットで押さえられない箇所、手が入らない箇所に対して、工具を使って表側だけで締結作業が完結するため、作業性が非常に高いです。

このカシメは設置工程がシンプルで、習熟度の低い作業者でも安定した品質でカシメを行えることから、量産現場でも広く採用されています。

一方で、ブラインドリベットは締結強度がやや劣る点に注意が必要です。マンドレル（芯棒）を引き抜くことで対象を締結しますが、カシメ後は真ん中に穴ができてしまう点、マンドレルがゴミになってしまう点もデメリットです。

さらに、カシメられるのはアルミなどの加工しやすい素材に限られる点も理解しておきましょう。

カシメの種類②プレスカシメ

プレスカシメは、カシメの中でも高強度な接合が可能な種類です。部品同士を強く押しつぶして一体化させるため、隙間が少なく、しっかりとした締結力を得られるのが大きなメリットです。振動などによって接合部が緩む心配がなく、ボルトやナットよりも安定した締結ができるという強みもあります。

プレスカシメは強固な固定ができる一方で、可動部など柔軟性が求められる箇所には適していません。また、プレスカシメはその構造上、大きなプレス力が必要です。そのため、設備が大掛かりになる、作業時の振動や音が大きくなるなどの傾向があります。

カシメの種類③スピンカシメ

スピンカシメは、先端の工具（ポンチ）を回転させながら圧力をかけ、部品を接合する方法です。プレス式に比べて八分の一の小さな力でカシメができるので、ハサミや蝶番などの可動する軸部分のカシメに向いています。仕上がりも綺麗なため、繊細な部品や精密な製品の加工にもおすすめです。

スピンカシメの種類にはサーボ式（電動式）、空圧式、油圧式があります。それぞれの特徴を、以下で詳しく見ていきましょう。

なお、弘機商会では、スピンカシメ機の中でもサーボ式（電動式）カシメ機、空圧式カシメ機の製造実績が多数ございます。スピンカシメ機導入に関するお悩みは、ぜひ弘機商会へご相談ください。

サーボ式（電動式）カシメ機

サーボ式（電動式）カシメ機は、電動モーターで精密に制御できるのが特徴です。油圧ポンプやエアーコンプレッサーなどの付帯設備が不要なため、省スペースかつ省エネな環境下で作業が可能です。

カシメの種類の中でも、とくに高い制御性と再現性を誇り、繊細な部品への加工にも適しています。カシメ後に可動できるようにしたり、軸太りさせて締結力を上げたりと、様々な要望に合わせて加圧力の設定やカシメ深さなどをデジタルで管理できます。加工履歴を記録することもでき、品質管理が重視される現場やトレーサビリティを求められる現場に最適です。

一方で、サーボ式カシメ機は空圧式などと比べて設備コストが高くなりやすい点には注意が必要です。

空圧式カシメ機

空圧式カシメ機は、圧縮空気を動力源とするシンプルな構造のカシメ機です。低負荷、かつ低圧力で使用でき、比較的低コストで導入できるのがメリットです。構造がシンプルなものが多く、メンテナンス性にも優れています。

繰り返し精度が高いことから、自動車の重要保安部品、鉄道関連部品、さらに半導体製造装置の部品など、高精度かつ量産が求められる現場で広く活用されています。

ただし、パワー面ではサーボ式や油圧式に劣るため、高硬度の素材や厚みのある部品には対応しにくいです。

油圧式カシメ機

油圧式カシメ機は、油圧による高加圧力を活かして、強力な締結作業を行えるカシメ機です。カシメの種類の中でもとくにパワーに優れ、大型部品や高強度素材を扱う場面での使用に適しています。

その反面、油を使用する構造上、においやべたつきが発生する可能性があり、清掃とメンテナンスが欠かせません。また、どうしても油が漏れてしまうため、火災を含めた現場の安全性を十分に考慮した設計の製品を選び、慎重に取り扱う必要があります。

高強度・高耐久が必要なカシメ作業では有力な選択肢となる一方、導入時はメンテナンス性や運用コストも視野に入れて検討することが大切です。

カシメの種類別の選び方

カシメの種類を選ぶ際は、作業環境や製品の仕様に応じて最適な種類を見極めることが重要です。とくに近年はカシメの種類が多様化しており、それぞれの特徴を理解したうえで選ぶ姿勢が求められます。

たとえば、裏面にアクセスできない構造物には片側から作業できるブラインドリベットが適している一方で、高い強度が求められる固定部品にはプレスカシメが有効です。また、大量生産にはスピンカシメが適しています。

同じ種類のカシメ機でも、サイズや性能によって対応できる範囲が異なるため、作業内容に適しているかをよく見極めましょう。

サーボ式・空圧式スピンカシメ機の製造は弘機商会にご相談ください

カシメの種類は多数あり、それぞれに違った特徴を持っています。加工対象となる製品や作業環境を加味して、最適なカシメの種類を検討してみてください。

弘機商会は、スピンカシメ機の中でも自動化に適したサーボ式（電動式）カシメ機、メンテナンス性に優れた空圧式カシメ機の開発、製造、販売を行っています。自動車産業、航空宇宙産業、医療産業などへの納品実績があり、お客様のご要望に最適なカシメ機の提案をさせていただきます。

カシメ機の導入に関するご相談は、以下フォームよりお問い合わせください。