リベットのインサート(ポンチ)の種類と選び方をカシメ加工の現場目線で解説

2026年8月26日

リベット インサート リベットの画像

リベットのインサート(ポンチ)の基本を解説

リベットのインサート(ポンチ)は、かしめ機にセットして使用する工具で、リベットの頭部に荷重を加え、塑性変形させることで締結を完成させる役割を担っています。

リベットは、部材に差し込んだ状態のままでは固定力を発揮できず、頭部を適切な形状へ変形させて初めて成立するものです。

インサートはこの変形を担う部品であり、先端の形状によってリベットの仕上がり形状や強度、外観品質が大きく変わります。そのため、インサートはリベット締結における品質を左右する重要な工具の1つです。

また、インサートは一つの形状であらゆるリベットに対応できるわけではありません。リベットの種類や頭部形状、材質、さらには締結対象の板厚や生産数量といった加工条件によって、適したインサートの形状・材質は異なります。

加工対象や現場の条件に合わせて適切なインサートを選ぶことが、安定した品質のリベット締結を実現するためには大切です。

なお、弘機商会では、カシメ機の製造販売だけでなくインサートの販売、専用設計のご提案にも対応しています。インサートの種類選びや現状のインサートに課題を感じている事業者様は、ぜひ弘機商会にお話をお聞かせください。

リベットのインサート(ポンチ)の種類と選び方

リベット インサート リベットの画像

リベットのかしめ品質を安定させるためには、インサート(ポンチ)の種類を適切に選ぶことが大切です。

インサートはリベットへ荷重を伝え、頭部を所定の形状へ成形する部品であり、形状によって仕上がりや加工品質が大きく変わります。

適切なインサートを選ぶことで加工精度や工具寿命の向上にもつながるため、加工条件に合わせた選定をおこない、必要に応じてかしめ機メーカーや加工会社へ相談しながら決定しましょう。

ここでは、代表的なリベットのインサートの特徴とおもな用途について解説します。

平形インサート(ポンチ)の特徴と用途

平形インサート(ポンチ)は、先端が平らな形状をしたインサートで、リベットの頭部を均一に押し広げながらかしめる際に使用されます。

リベットを差し込む穴に皿モミ加工をして平形インサートでリベットを平らに成形すれば、リベット先端の突出を目立たなくさせることも可能です。外観の向上にも役立つほか、精密機器の内部など、周辺との接触を避けたい箇所に用いる際にも適しています。

さらに、1つのインサートで対応できるリベットの範囲も広いため、インサートの交換頻度を下げて作業効率を上げたいという場合にも役立ちます。

ナベ形インサート(ポンチ)の特徴と用途

ナベ形インサート(ポンチ)は、リベットの先端にRがついた仕上がりになるインサートです。リベットの頭部を滑らかな曲面状に成形したい場合に使用されます。

自然な丸みを持つかしめ形状を形成できるため、手や指、布などが触れる箇所などの加工で広く採用されています。

例えば、子どもが触れるおもちゃやバッグなどの安全性が求められる箇所、着脱の多い衣類の留め具部分、さらにアクセサリーや家具の金具などの装飾箇所などでも、ナベ形インサートが使用されることが多いです。

ハトメ形インサート(ポンチ)の特徴と用途

ハトメ形インサート(ポンチ)は、ハトメや中空リベットをかしめるために設計されたインサートです。

先端の中心に設けられた突起(ガイドピン)が中空リベットの穴に入り込むことで、中空部を適切に広げながらフランジを形成できる構造となっており、一般的なソリッド(ムク)リベット用のインサートとは形状が異なります。中空リベットを使用するため、強度と軽さを両立することが可能です。また、かしめに必要な圧力も小さく済むので、母材が繊細な部品にもお勧めです。

リベットのインサート(ポンチ)に使われる材質

リベットのインサート(ポンチ)は形状だけでなく、材質によって性能や寿命が大きく変わります。

インサートは繰り返しリベットへ荷重を加える工具であるため、材質選びを誤ると摩耗や欠けが早く進み、かしめ品質の低下や工具交換頻度の増加につながる可能性があります。そのため、加工条件に適した材質を選ぶことが大切です。

また、インサートの材質はリベットの材質だけでなく、生産数量や加工頻度、メンテナンス性なども考慮して選定する必要があります。適切な材質を選ぶことで、工具寿命の延長だけでなく、加工品質の安定やコスト削減にもつながるため、使用環境や加工条件に合わせた選択をおこないましょう。

高速度工具鋼(ハイス材)製のインサート(ポンチ)の特徴

高速度工具鋼(ハイス材)製のインサート(ポンチ)は、高い強度と耐摩耗性を兼ね備えており、リベットのかしめ加工で一般的に使用されている材質です。

繰り返しかしめ加工をおこなっても変形しにくく、安定した加工精度を維持しやすいため、多くの製造現場で採用されています。コストと耐久性のバランスにも優れており、幅広い用途に対応できる点が特徴です。

アルミニウムや銅、軟鋼などのリベットを使用する一般的なかしめ加工では、高速度工具鋼製のインサートが広く利用されています。適切な熱処理が施された工具鋼は摩耗しにくく、リベットの頭部を安定した形状へ成形できるため、かしめ高さや外径のばらつきを抑えやすくなります。

超硬合金製のインサート(ポンチ)の特徴

超硬合金製のインサート(ポンチ)は、非常に高い硬度と優れた耐摩耗性を備えた材質です。

一方で、超硬合金は靭性(粘り強さ)に劣り、衝撃や偏荷重による欠け・割れが生じやすいですが、衝撃を伴わないスピンカシメ機との組み合わせであれば、超硬合金の欠けリスクを最小限に抑えつつ、その圧倒的な耐摩耗性を最大限に引き出すことが可能です。

工具鋼製のインサートよりも摩耗しにくく、長期間にわたり安定した加工精度を維持できるため、高負荷なリベット加工や大量生産ラインで採用されることが多いです。工具交換の回数を減らせることから、生産効率の向上にも貢献します。

例えば、ステンレスリベットのような硬い材質の加工や、24時間稼働する生産ラインなど、インサートへ大きな負荷がかかる現場では超硬合金製が適しています。摩耗による寸法変化が起こりにくいため、リベットの頭部形状やかしめ高さを安定して維持しやすく、品質のばらつきや不良発生の抑制にもつながるでしょう。

リベットのインサート(ポンチ)の相談は弘機商会にお任せください

リベット インサート 弘機商会の作業の画像

リベットのインサート(ポンチ)は、リベットの種類や加工条件によって適したものが異なるため、「どの形状・材質を選べばよいかわからない」「現状のインサートで不良が出ている」といったお悩みを持つ現場も少なくありません。

弘機商会では、創業80年以上にわたり、極小リベットから大径の部品まで、幅広いリベットサイズ・形状に対応してきた実績があります。サーボ式(電動式)・空圧式など複数のスピンカシメ機ラインナップを取り扱っているため、リベットの材質や形状、板厚、生産数量、外観品質や強度への要求といった加工条件を踏まえたうえで、機械本体とインサートを組み合わせた最適なプランをご提案することも可能です。

導入後もインサートの摩耗や交換、加工不良が発生した際の原因究明・改善提案まで、アフターフォローにも一貫して対応しております。

リベットのインサート選びでお悩みの際は、ぜひ一度弘機商会までお気軽にお問い合わせください。

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